2011年09月29日
鼻物語
君の鼻一度も濡れてたことがない
笠の開いた松ぼっくりで
鼻水が暑くては出て
寒くても出る懸命に君はなめてる
君の鼻飛出しボタンのようになり
押せば2号が出てくる気がする
乾燥をした鼻の皮膚全部取れ
3ミリ低く滑らかになる
2011年09月28日
R君の攻防
電話からR君にこにこ顔の声
「散歩の君がまた動かない」
R君に無理やり抱き上げられた君
どうしていいのか困った顔する
立ち止まり遠ざかってくR君を
君は見送るじっと見つめて
R君の結婚式にどうやって
君連れて行くか悩んでたのに
ずっと先の、いつかの日のための話でした。
2011年09月27日
謎は深い
よその家玄関開いていたら君
とりあえず中入ろうとする
君 草を飲み込めないのにかじりつく
明確な訳いまだに不明
溝あれば必ず君は覗き込む
何が気になるわたしも覗く
取り返すことのできない君なのに
何を諦めきれないでいる
2011年09月26日
2011年09月24日
思考が動き出す
出した舌中途半端に引っ込めて
君のポーズは今考え中
窓開けて本読むわたしの膝の上
君が眠るよ静かな時間
宝物 君だと思っていたけれど
出会ったことこそ宝と気付く
五百首に君の姿を映したら
パラパラ漫画のように息づく
2011年09月23日
夏終了
飲み水のペットボトルは逆さまに
舌に押し付け飲ませるのがコツ
川遊びする子を上から覗き込み
下りていきたい君はうろちょろ
暑さ過ぎ君と2階の部屋で寝る
空き部屋だった2か月思う
夜明け前去年と同じ空を見て
届けと叫ぶ君大好きだ
2011年09月22日
密着度が高い
寝ころべばすかさず君は上ってくる
ジャングルジムと違いますよ
寝るわたし頭のまわりうろついて
君は眠れる姿勢をさがす
柔らかい君のお腹が顔にのる
少し苦しくとてもうれしい
人間に疲れたわたし
君だけがこの世に動き与えてくれる
2011年09月21日
近寄れないよ
2代目のしんちゃん子犬で君強気
追いかけ回し困らせている
初代しんちゃんは中型の真っ白い子で、去年大往生をしました
2代目のしんちゃんは、真っ白い小型犬です
警戒心強いくうちゃん近寄らず
立ち去り際に君に一吠え
もう君がいなくてくうちゃん撫でてよと
安心をして私に近づく
くうちゃんは、ミニチュアダックスの男の子です
もう一度会いたいなどと思わない
会えば別れがまた来てしまう
2011年09月19日
散歩のしあわせ
数人の子どもに囲まれ怖気づく
無遠慮な手に君慣れてない
お座りで足の間にはさまって
君は車が通るのを待つ
ど真ん中気持ち良さそに歩いてる
車の来ない朝の散歩道
君だけをただ失ったのでなくて
続く幸せまでも失う
2011年09月18日
炊事アイロン家事育犬
アイロンで足に火傷し
君でなく良かったなんて君いないのに
穏やかな君の目の前
アイロンを無事にかけ終え嬉しく思う
足の上気持ち良さそに寝てるから
君に免じて家事後回し
夕食の準備にかかると
安心をしたかのように君は眠るよ
2011年09月16日
ご近所付き合い
回覧を持って一緒にお隣へ
小さなことも楽しがる君
ゴミ置き場待ってりゃ人が来ることを
君は知っててカラス番する
お隣のアパートの角 駐車場
君一休みする大好きな場所
死んだんだ何度も自分に言い聞かす
でないと君を捜してしまう
2011年09月15日
うんざり残暑
アスファルト手のひらつけて熱さみる
夜の散歩も諦める夏
頭には蚊が寄ってくる夏の朝
君に気を取られわたし刺される
帰宅してコンクリートに寝そべって
クールダウンの君はまどろむ
懸命に何かを確認しなくても
生きてはいけるとぼんやり思う
2011年09月13日
穏やかな光の中の幻
シュシュそっとくくり髪から抜き取った
遊ぶでもなく君はくわえて
要求の積極的なアプローチ
君はしないで坦々と生き
コルクマット敷いたらそこしか歩かない
君端っこでわたし待ってる
蜜ろうを塗ってマットを歩いてた
君の足跡すかせば光り
2011年09月09日
赤ちゃん時代 その4
不潔でも汚くもない犬というもの
くずかごやバケツは顔を突っ込むか
ふちを噛んではひっくり返す
部屋の中うさぎ走りで駆け回り
決まって後にウンチする君
サークルの中で抱っこの子守歌
君と一緒にうとうとしてる
2011年09月08日
街の子フレンチブルドッグ
幼稚園運動場は人気(ひとけ)なく
リード外すも控えめな君
適当に捕まえられる逃げ足で
君は走ってわたしの声待つ
こっそりと出かけたわたしを
君ずっと探していたとばあちゃんに聞く
フレブルは珍しがられ
立ち止まり人に説明する田舎道
2011年09月07日
セットの2人
後ろには ばあやのわたし従えて
怖いものなし君王子さま
小学生登校君はついていき
あいさつ運動校門でする
ショッキングピンクのパーカー散歩用
君欠けた今違和感があり
わたしだと君がいなくて気付かずに
無言で通り過ぎていく人
2011年09月05日
フレンチブルブルブルドッグ
名の通りブルのよし君見下ろせば
君とおんなじ骨格してる
よし君のママのお膝の上に乗り
君はくつろぎわたしを見てる
よし君は近所のブルドッグの男の子です
背中から抱きしめられることよりも
君抱く腕の確かさを知る
犬飼いたいフレブル飼いたい
君がもし生まれ変わったら迷わずおいで
2011年09月04日
呼吸
寝てる君努力呼吸というらしい
息するお腹重く膨らむ
息を吸うたびにガーガー音がする
唸っていない いたって普通
向かい風強いと息ができないか
君は嫌がりお尻を向ける
帰宅して鍵開けるとき怖かった
君が息して生きているかと
2011年09月03日
コミュニケーション
吐いちゃった失敗しちゃった
不安げな君に伝える大丈夫だよ
立っちしてわたしの膝に手をかける
上に乗せてと君が言ってる
ブーブーと君言うたびに
あいづちを打って二人の会話成り立つ
大好きと何度言っても嫌がらず
すり寄る君が大大大好き
2011年09月02日
2011年09月01日
VSおばあちゃん
よくこんな寝られるものとばあちゃんは
君に言いつつうたた寝をする
ばあちゃんち法事に君も参加する
経より高くいびきは響き
ばあちゃんにだけは強くて飛びかかり
野生の証明一時見せる
“犬畜生”“大事な家族”
世代には意識の深いギャップがあって
2011年08月31日
真夏の夜の悪夢
2階ではエアコンつけても蒸し暑く
1階の床君とゴロ寝す
このエアコン24時間経ったとき
自動で掃除するのを知った
その毛皮ぐるりと脱いで
濡れタオル包んでやりたい夏の日の君
君いたら大変だったと思うこと
無理やり見つけ気休めとする
2011年08月28日
赤ちゃん時代 その3
紙袋持ち手くわえて椅子の下
君は何度もくぐり遊ぶよ
赤ちゃんの時期は短い
たくさんの写真撮ってとアドバイス受け
走ってるバイク自転車追いかける
子どもの君は本能のまま
誰からも責められているわけじゃない
だから自分で責め続けてる
2011年08月27日
とても嬉しいこと
車窓から流れる景色眺めてる
ふんばる君の脚を支える
バックして勢いつけて駆け寄った
君は車に早く乗りたい
車から降ろすと君はとりあえず
全速力であてなく駆ける
うれしさも君がいたからきらきらと
そんなことさえ気が付かなかった
2011年08月25日
掃除洗濯家事育犬
毎朝の掃除抜け毛のためでなく
君いけないもの食べないように
羽布団 獣のにおいに反応か
君はたっぷりオシッコをする
丸洗い家で試しに羽布団
すっきりきれいに大成功する
掃除機と洗濯のごみ捨てるとき
君の毛ないかまだ確認し
2011年08月22日
試行錯誤
ドーム型ベッドの上に君のぼり
ひっくり返すわ引っ張り回すわ
中で目をこすっていたか
ドーム型ベッドやめたら君の目きれいに
そうやってごまかしごまかし生きてゆく
そんなやり方偽物でしょう
忘れれば前に進める生きられる
忘れないため生きているのに
2011年08月20日
散歩デビュー
犬連れの人に今日から気兼ねなく
声かけられるお散歩デビュー
君外で初めてオシッコした場所は
玄関前の溝ふさぐ網
君外で初めてウンチした場所は
土手道横の枯れ草の上
「おはよう」はまだいいけれど
長々と君に語って無音に気付く
2011年08月19日
規則正しく正確に
この草に君もやっぱりマーキング
誰が決めたか1本だけ枯れ
美しいジグザグ描き土手道を
匂い嗅ぎ嗅ぎ君は歩くよ
プルプルと匂い嗅いでは震えてる
フレーメン現象恍惚の君
来たことのない場所どこでも背景に
君を歩かせ佇ませてみる
2011年08月18日
テレビにまつわるエトセトラ
テレビには興味関心まるでなく
救急車の音だけに反応
Dボタンテレビを買った1年後
使い方知る君押したから
サラウンド 音が飛び交い驚いて
君はきょろきょろ部屋を見回す
このドラマ見たとき君はいたんだと
思い出すから録画消去す
2011年08月17日
フレブル的サイズ
階段は君のサイズじゃ狭すぎて
5段目来たら立ち往生する
便器裏たてよこ高さぴったりで
君入り込み探索してる
体重計一緒に乗るの嫌がって
スイッチ音で身を固くする
こんなにも君は小さくなり果てて
冷たい遺骨今日も抱き締め
2011年08月16日
あと1週間で誕生日
バットイヤー君の頭部のシルエット
誰かに似てるそうバットマン
本当にわたしが危なくなったなら
君は守ってくれそうな気がする
君よりも後から逝ったワンちゃんは
君が優しく導いたげて
もう1年思い続けても4歳に
君は足りない残酷にして
2011年08月13日
出す出される
どうやって動けばこんな完全な
ぐるっと丸のウンチができる
マーキング5回6回した後も
君はがんばる2滴ほど出る
プーしたなポーカーフェイスの君だけど
ちょい臭いよと全部吸い込む
枯れていく涙の補給するために
水分摂っているようなもの
2011年08月12日
相反する
服従のポーズというが
君お腹出してもちっとも服従してない
男の子なのに乳首が10個ある
オスの悲哀が君にも見える
暑くなれ去年以上に暑くなれ
君の住処とならないほどに
昨夏より暑くてたまるか
君の死期早めた年と恨めなくなる
2011年08月11日
2011年08月07日
事情はあるでしょうが
2011年08月05日
好き好き大好き
R君は「俺が一番好きだよね」
君に言ってはまた無茶をする
無茶なことするのが得意なR君に
苦笑の顔で耐えている君
一番に好かれなくてもかまわない
わたしが一番愛しているから
愛なんてただの執着 それでいい
失くしたくないとらわれてたい
2011年08月04日
赤ちゃん時代 その2
皮膚のたるみがかわいらしい君
初めてのワクチン首に注射する
たるたる皮膚で無事に終了
柔らかい赤ちゃんの君壊れそう
抱くとおっぱい出そうな気がする
半年の過ぎ去りようは他の日々と
変わることなくわたしに冷たく
2011年08月03日
諦めの真夏日
暗がりに家出て朝日見えるまで
真夏の散歩それでも暑く
あちこちにゴキブリがいる気を付けて
暑い盛りの夜明け前の道
ケチャップの少なくなったポリ容器
トントンたたくと君は飛びつく
君にまた話しかけては苦笑する
みな独り言飲み込むことば
2011年08月02日
ないないない
皿舐める犬のようにと言うけれど
君はボールを舐めたことない
穴ぐらのような所が寝床にと
書いてあるけど君入らない
水飲まない君が心配
ヤギミルク麦茶を混ぜる 効果少ない
土日にも病院開いているけれど
どうしてワンコに救急車ない
2011年08月01日
会うことのないまま
もう少し大きくなったらお泊りで
じいちゃんばあちゃん会いに行こう
犬好きのじいちゃん君を撫でたなら
病気も少し癒えはしないか
フレブルを見たらじいちゃんびっくりし
おもしろい子と笑ってくれるか
じいちゃんの病変聞いてサークルに
入り君抱き声押し殺す
じいちゃんはわたしの父で、この子が8ヶ月の時亡くなりました
2011年07月31日
お気に召すまま
往復で網戸に背中こすりつけ
つっこんでよとチラリ君の目
R君ママの呼び名は拒否したが
君のママと呼ばれて喜ぶ
絵心があれば君の絵
歌作る力があれば歌作りたい
三百の涙に映した君の日々
思いは尽きずまた歌を詠む
2011年07月30日
夜のあいだに
3年ぶり冷却ジェルを首に巻く
君のお腹の気持ちがわかる
寝る前は父さんの部屋でひと運動
ズリズリガタンのルーチンワーク
ちょびちょびと黄色いしみが
父さんの寝床にだけある愛されてるねぇ
ベッドから君はポタポタ落ちるから
マットクッション周囲かためる
2011年07月29日
わたし頼み
待ちきれずもう起きたので2階から
下ろしてほしい君ギャンと鳴く
怪しさを感知しそちらにまず吠えて
君はわたしを待ってから行く
保護される立場を十分承知して
君は待ってるわたしの手と目
人誰も頑張ったねと言われたい
君生きていることがそうだった
2011年07月28日
赤ちゃん時代
今頃になってわたしの居場所知る
世話を焼かせる君のそばだと
ドソドソと夜中に廊下走る音
パピーの君とR君が遊ぶ
2ヶ月でマウント始めた君のそば
斜めの角度作ってはならない
エプロンに包んで君と家の外
腕から見下ろす初めての犬
2011年07月26日
我が家への旅
情けないまなざしをしたかわいい子
君の写真に思い高まる
ギャウギャウとチビ怪獣が鳴いている
かごに入った君ウンチした
3時間新幹線のひざの上
まだ名前ない君連れ帰る
世の中に引っかき傷も残せない
わたしに深く君刻まれる
2011年07月25日
離したくない離れたくない
この夏で初めてセミの鳴いた日が
きちんとわかる君と過ごせば
留守番は最大4時間までと決め
バス停からは走って帰る
スーパーは脇目ふらない買い物で
早送りする 君が気掛かり
どこにでも君はくっつき来るけれど
むしろわたしが分離不安症
2011年07月24日
逃げるに逃げられず
暑いので水のシャワーを浴びせたら
君は逃げ出しオシッコ漏らす
そのシャツに今からアイロンかけるのに
わざわざ上に座るか君は
うっかりと君の頭に
アイロン台当たり2ヶ月台見れば逃げ
恨むのは酷暑酷寒
わたしにはどうにもできず君痛めつける
2011年07月21日
フレブルに見惚れる
前脚にほぼ体重がかかってて
後ろ脚より筋肉りゅうりゅう
力強い肩を触って確かめる
肩甲骨がとても立派だ
豆タンク逆三角形のマッチョマン
君男前かっこよ過ぎよ
結末を知りつつ人は生きている
どんな気持ちで君は生きてた
2011年07月20日
穏やかに抜け目なく
天敵のネコのお家にやってきた
スクランブルの命令待ってる
敵陣地すばやく偵察終えたあと
見つけた水でのどをうるおす
豚鼻を慌て飲み込み窒息す
君死ぬ怖さ初めて覚える
絶対に優先順位まちがわない
君の安全命が第一
2011年07月18日
野性に戻る
山里の田舎に来たら君もまた
野生児になり土にまみれる
田舎には犬の苦手な獣医さん
病気しないようひたすら祈る
置いてかれる!?不安で縁から大ジャンプ
記録樹立も口をすりむく
また無口になってしまったこと気付く
「サイレン鳴ったね」君に言えずに