Rくんの帰宅喜び
勢いをつけて前脚浮くほど吠える
父さんとRくんドロボー同じように
聞こえているか君の吠えツボ
「母さんだ」帰りを告げる父さんに
君は愛想で一声だけ吠え
貴重な吠え声
寂しいというのではない
悲しいというのではない君が愛しい
2011年12月04日
2011年12月02日
7か月の悪魔の頃
だんだんといびきのボリューム上がってく
君は何かに変化していく
半年を過ぎて寂しさ覚えたか
一人寝る部屋 君夜を鳴き
真夜中を君鳴き通し過ごすのか
一緒に寝ようわたしの部屋で
そば眠る君のいびきのうるささも
2週間経ちすっかり慣れて
君は何かに変化していく
半年を過ぎて寂しさ覚えたか
一人寝る部屋 君夜を鳴き
真夜中を君鳴き通し過ごすのか
一緒に寝ようわたしの部屋で
そば眠る君のいびきのうるささも
2週間経ちすっかり慣れて
2011年12月01日
大抵みんなこたつ犬
いたずらに君をこたつに閉じ込めて
ウォウと鳴くまで楽しみに待つ
あたたかさ憶え2度目の冬からは
進んで入る君こたつ犬
蹴とばさないようにゆっくり足入れる
姿見えない君はこたつに
こんなにもこたつのモーター音響く
君のいびきの消えた現実
ウォウと鳴くまで楽しみに待つ
あたたかさ憶え2度目の冬からは
進んで入る君こたつ犬
蹴とばさないようにゆっくり足入れる
姿見えない君はこたつに
こんなにもこたつのモーター音響く
君のいびきの消えた現実
2011年11月30日
2階の儀式
一晩に3部屋を巡り君眠る
わたしRくん 父さんわたし
君はまず2階に行くと
父さんの布団の真ん中ペタリと座り
走り、跳びわたしの部屋を2周逃げ
捕まえていいと君停止する
うつ伏せの左を向けばベッド越し
様子うかがう君と目が合う
わたしRくん 父さんわたし
君はまず2階に行くと
父さんの布団の真ん中ペタリと座り
走り、跳びわたしの部屋を2周逃げ
捕まえていいと君停止する
うつ伏せの左を向けばベッド越し
様子うかがう君と目が合う
2011年11月29日
呼吸が特に難しいフレブルだった その2
口開けた体勢作るために君
牙ひっかける場所を求める
サークルの柵にぐにゅっと君 口を
押し付け呼吸確保して寝る
冬なのに日光浴で息荒く
君の弱さに初めて出会い
生きていくことに異論はないけれど
君ない生活ひどく疲れて
2011年11月22日
趣味か手入れか
たくさんの人に愛してほしいから
君の体はいつもきれいに
涙やけ鼻水やけはさせまいと
君をタオルで四六時中ふき
手入れには白手袋が欠かせない
君の顔中しわ一つずつ
使い捨て手袋、コロコロ
君なくて買い置いたまま出番をなくす
2011年11月21日
土手道の柵あたりで
18段 階段全部 駆けられず
君ほとんどをよたよた上り
坂上がり柵から顔出し土手道を
覗いて君は犬来るを待つ
柵ごしのワンちゃんならば危険なく
君は余裕でかまい追いかけ
黒ラブの脚の間にすっぽりと
君襲われたことも知らずに
君ほとんどをよたよた上り
坂上がり柵から顔出し土手道を
覗いて君は犬来るを待つ
柵ごしのワンちゃんならば危険なく
君は余裕でかまい追いかけ
黒ラブの脚の間にすっぽりと
君襲われたことも知らずに
2011年11月20日
お買い物にもついて行きたい
自転車のわたし追いかけスーパーに
君はRくん連れたどり着き
店の外 真剣顔の君が待つ
わたしに気付かずあらぬ方見て
背後からそっと近づき君を呼ぶ
もうっ!と言うようにじゃれて飛びつき
こんなにも月日は速く過ぎていく
君生きた日を追い越さないで
君はRくん連れたどり着き
店の外 真剣顔の君が待つ
わたしに気付かずあらぬ方見て
背後からそっと近づき君を呼ぶ
もうっ!と言うようにじゃれて飛びつき
こんなにも月日は速く過ぎていく
君生きた日を追い越さないで
2011年11月18日
2011年11月17日
車で!がコマンド
たくさんの中ではマイカーわからずに
君は手近な車の横立つ
自動車に10分ほども揺られれば
必ず君はウンチもよおす
父さんの後追い酒屋に入りたい
君は店内中腰で見る
君連れてドライブしよう1日中
ひとえに願う帰ってきてと
君は手近な車の横立つ
自動車に10分ほども揺られれば
必ず君はウンチもよおす
父さんの後追い酒屋に入りたい
君は店内中腰で見る
君連れてドライブしよう1日中
ひとえに願う帰ってきてと
2011年11月16日
元気なころ土手で
土手の坂君は下って川入り
足先濡らす程度に歩く
土手斜面君は草むら飛び込んで
ごそごそ駆けて出ては隠れる
土手斜面コンクリートに覆われて
君の痕跡消し去っていく
逃げてゆく幸せ一つありもせず
移る季節にため息をつく
足先濡らす程度に歩く
土手斜面君は草むら飛び込んで
ごそごそ駆けて出ては隠れる
土手斜面コンクリートに覆われて
君の痕跡消し去っていく
逃げてゆく幸せ一つありもせず
移る季節にため息をつく
2011年11月15日
動物愛護センターにて
満開のコスモス畑 横に見て
動物愛護センターに行く
動物の姿に作った置物は
怖い怪しい君後ずさり
センターの処分待つ子の鳴き声は
君と一緒にただ聞くばかり
七百の涙つなげて並べれば
君生きた日のアーカイブとなり
動物愛護センターに行く
動物の姿に作った置物は
怖い怪しい君後ずさり
センターの処分待つ子の鳴き声は
君と一緒にただ聞くばかり
七百の涙つなげて並べれば
君生きた日のアーカイブとなり
2011年11月14日
なに、なに何ですか?
綿ぼこり目ざとく見つけ食らいつく
君の鼻先逃げてまた飛ぶ
新しい言葉を聞いて
君は首右に左に何度もかしげる
うっかりとふた閉め忘れシアバター
底が見えてる君なめたんだな
用もなくペットショップに立ち寄って
フレブル見つけ君と比べる
2011年11月13日
夜のブリンドル
暗がりに君の姿は溶け込んで
白眼ばかりが居場所教える
暗闇が君を隠してしまうから
七色光るペンダント買う
ペンダントとことこ歩く君の背に
揺れて輝くイルミネーション
どんな夜も明けない日ない
生きるとき抱く希望は無邪気すぎないか
2011年11月12日
じっとしてても十分に
「おばちゃんはもう1周してきたよ」
座った君はどこ吹く風で
会う人に 今日は歩いてるなんて
驚かれてる逸脱の君
マイケルのステップ真似て暇つぶし
君がちっとも動かないから
今年こそバギーを買って君乗せて
楽しさ見つけようとしていた
2011年11月11日
背負う宿命
水でさえ喉につかえて吐く時も
わたしは君に何もできない
食べ物を飲み込むことと
息をすること難しく君消耗し
改良に改良重ねた子たち故
不全不具合やむなく多く
美しいサラブレッドも人の手で
改良しつくし運命決まる
2011年11月10日
好物は発酵食品
もともとの食性は腐肉
ヨーグルト、納豆に君ためらいがない
ポテチには君は興味はないけれど
音をさせずにつまんでは噛む
昼ささみ夜は牛肉前の日に
君好きなものあげてよかった
一さじのマヌカハニーを舐めてみる
君の頭と同じ匂いする
2011年11月09日
チェックチェック
匂い嗅ぎ歯の色 歯茎確かめる
若くきれいで口異常なし
指ならし反応するか確かめる
匂いを嗅いで耳異常なし
目の前で指をつまんで確かめる
まぶた閉じてる目は異常なし
舌の色きれいなピンクしているか
君が出してりゃいつも確認
2011年11月08日
写真
飛ぶ君を写真に撮ろうとかまえたが
走るどころか歩きもしない
カメラ向け撮ろうとすると視線合い
君はニコニコすぐ寄ってくる
8メガの君の一生収まった
メモりースティック手のひらに乗り
デジタルのフォトフレームの遺影集
小さな世界の君が見つめる
2011年11月06日
散歩のお約束
抱き上げて花に鼻先持っていく
君は一嗅ぎ関心薄く
コンクリの壁に体をこすり付け
君は真っ白シロスケになる
トラックの出た後広い駐車場
君は必ず靴先を噛む
苦しみを糧にするよな歳でなく
口引き結び我慢している
2011年11月05日
自然の力
肉球のひび割れ裂けて出血す
平気な君に慌てるわたし
全身を使い異物を吐く君に
強い自然の生命力見る
動物は不思議な力持つもので
抱いてるだけで優しくなれる
骨壺の君の頭を手に取ると
割れて自然に還ろうとする
2011年11月04日
あれは旅立ちの兆しであった
好奇心よりも体力衰えて
君ただじっとしていること増え
君ずっと見張ってないと力尽き
生きることをやめてしまいそう
そら君をもう追いかけていかないで
君はわたしのそばを離れず
心配性取り越し苦労が過ぎるから
君死にそうと言えなかった
2011年11月03日
スポーツセンターでは
フェンス越しテニスボールを君は追う
動く人、物 目が離せない
グランドの観覧席の高いとこ
君と上って野球を見てる
妖しげな気が漂うか
体育館裏通るとき君狂暴に
見晴らしの良い場所上り満足げ
君したり顔で下界を望む
2011年11月02日
帰りは消極的な散歩
帰り道立ち止まってはわたし見る
お家と聞いて君歩き出す
帰るのを渋ってた君家までの
3メートルになったら走る
散歩からやっとの思いで家に着く
お疲れ様と君に声かけ
用もなく外出て君のいたところ
幻さがす散歩の時間
2011年11月01日
積極的な散歩
どこからか君は木の枝さがしだし
お土産みたいにくわえて帰る
初めての道は興味津々で
君の歩みはどんどん進む
天候と気温と君の機嫌みて
散歩の時機のゴーサイン出す
君と来た道を歩いていかないと
どこにも行けず拷問のよう
2011年10月30日
おもちゃには遊ばれない
2、3回遊べば良いほう
見向きさえしないおもちゃがバケツ一杯
ボールなど跳ねて転がりめんどくさい
君は冷ややかほったらかしで
ガタガタと転がり動くおもちゃには
いらっとしたか君は無視決め
君のため空白にした人生を
中途半端に塗りつぶしてく
2011年10月29日
趣味…読書
新聞を読んでる横で寝てた君
起きてチラシが唇に付き
うつ伏せで本読むわたしの目の前に
君立ち視野の独占をする
読んでいる本の上来て 君 口を
置いて寝るからパリパリになる
君だけはわたしの時間つぶしても
歓迎されて抱き締められて
2011年10月27日
指先の快感 その2
ねじまいたしっぽの長い毛抜いてみる
差し込んだ指の匂いを嗅ぐ
滑らかで指にくっつく感じして
君のお尻の穴のまわりは
毛の薄いお腹まわりの君の皮膚
つまむとしっとり指は幸せ
耳の中 指を突っ込みそうじする
しつこくすれば君噛んでくる
2011年10月26日
指先の快感
耳の毛のビロードのような手触りが
一番好きだったかもしれない
手の中に包める君の肉球は
ぷにゅりとしててかさっとしてて
左腕付け根に小さなつむじある
指でなぞれば毛並逆立つ
キクラゲにたとえた君の唇を
ビロンビロンと揉んで触って
2011年10月25日
今日はお迎え記念日
2011年10月24日
掃除炊事に家事育犬
しかたなくやってた日々のあれこれが
君がいるならガゼン意味持つ
掃除機をかけ終えたなら散歩だと
君は廊下に出てわたし待つ
君がいるせいにされてはいけないと
手抜きしないで夕食作る
夕食を午後の4時には作り終え
君の散歩の長きに備える
2011年10月23日
2011年10月22日
努力と我慢の賜物
フードボール食べてる途中出した手を
怒りもせずに君は待ってる
ベッドには乗らないように言い聞かす
寝てる隙つき君上ってる
慌てない大声出さない走らない
君を不安にさせないために
よその子が恨めしいほど羨ましい
憎んでしまう前に目そらす
2011年10月21日
手乗り犬とR君
Rくんの閉まったドアの前で君
開けと控えめウフと一鳴き
Rくんは君が昇ってこれるよに
ベッドに段差つけて待機す
手乗り犬力抜けてる後ろ足
片手に君を乗せてRくん
Rくんにかわいがられる君が好き
君かわいがるRくんが好き
2011年10月20日
眠りたいのに眠れない
立ったまま座ったまま寝る
毎日を君は睡魔と闘い続ける
へそ天も横向きで寝ることも無理
伏せの号令君には酷で
伸びの後腕立て伏せの格好で
君はうつむきうとうとしてる
六百の涙を溶いたシャボン玉
君がたくさん虹色の中
2011年10月18日
一に観察二に観察
毛の生えた動物は皆どこかしら
君に似たとこ1つはあって
君の舌 水に出し入れするだけの
効率悪い飲み方と知る
色匂い量と形状確かめる
君のウンチは貴重な資料
甲板の上をクジラが覗くように
テーブルごしの君の目ぎろり
2011年10月16日
階段は抱っこです
抱っこした君を落としちゃいけないと
腹筋 力を入れ腰かばう
抱っこして昇り降りする階段を
君は緊張手足つっぱり
抱っこから降りて廊下を歩いてく
耳の角度をかわいく保ち
一番の不幸背負いはしてないが
生きる根源見失ってる
2011年10月15日
見張り番
土手道の入り口君は座り込む
関所で人を定めるように
ボステリののんちゃん散歩せわしなく
いつものコース猪突猛進
草刈って土手道広くなり君の
目に草当たる心配も減り
どんな死もこれから素直に受け止める
でないと君を失くした意味ない
2011年10月14日
一緒に寝てる
眠る君わたしの顔のすぐそばで
プシューと音がお尻からした
眠る場所さがして君はたどり着く
わたしのお腹またいで乗っかる
これもまた腕枕というのかな
君はあご乗せわたしの右に
寝そべったわたしの体に
二度と君乗ることはない重さは遠く
2011年10月13日
お蔭様
赤むけの皮膚さらすような生き方に
君寄り添わせ守り守られ
人付き合い苦手なわたし君いれば
心静かに顔上げられる
引っ越して13年のこの土地で
ご近所付き合い君が始める
君の名で送った募金いずこかで
生命を誰かにつなげてほしい
2011年10月12日
お風呂でシャンプー
排水口シャンプー後の君の毛の
収獲高に得る達成感
シャンプーが少しは君が好きになる
ためのリフォーム計画をする
あたたかい床や柔らかシャワーとか
風呂のリフォーム君間に合わず
あの時にすべてを失くし
思い出と呼べることなどなくて今日まで
2011年10月11日
お父さんバトル
父さんは子犬の扱い下手くそで
君かわいそうわたしぶちギレ
父さんに連れられ君は散歩出る
わたし来るのをじっと待ってる
スーパーの入り口右が待つ場所と
憶えて君はまっすぐ向かう
生きているそれでもわたし生きている
逝った君への愛情だけで
2011年10月10日
信頼関係
動物は決して裏切ることないと
君は信頼日々更新す
食卓の上の匂いを嗅ぐ君は
人食べる物と区別ができて
入ってはいけない場所で君に指示
「よそのおうち」で歩みは止まり
嬉しさを抑えきれないマウントは
わたしにだけと君と約束
2011年10月09日
赤ちゃん時代 その5
ここにある物なら全部かじっても
いいけど君よ飲み込まないで
人いれば君は喜びエンドレス
眠らないまま遊んでしまう
部屋を出て廊下歩くの怖い君
タオルに乗せて引きずっていく
ひらひらと目の前スリッパ動いたら
噛みつく君の気持ちもわかる
2011年10月08日
いたって快調
早歩き足のリズムがすぐ狂い
後ろ脚浮きつんのめりそう
ちょい体左に曲げて走る癖
すぐに力は尽きるのだけど
網の上歩いていると後ろ脚
君は何度もスポッとはまり
楽になる術ならあるが
君の死を真正面から見据えていたい
2011年10月07日
程度の問題
後ろ脚しっかり立てるようになり
君はしきりに立ってアピール
前足で組みつかれたら痛いほど
力は強く離さない君
君といたこの空間で思い出を
体を丸め反芻してたい
君といた時は果たして現実か
2年の短さ幸か不幸か
2011年10月06日
ごはんは1日3回
デジタルでフードを量るグラム数
君の体重11キロで
部屋の角君に向かって吹きかける
フードの匂いごはんの合図
食べ物の匂いで君はこちら来て
お座りお手の体勢で待つ
ふやかして練ったフードを一口に
丸めて君の口放り込む
2011年10月05日
フレブル讃歌
人の手がたくさんいるからフレブルは
世界一可愛くできている
きっちりとラジカセの上君が乗る
黒い小さなかたまりふたつ
お昼寝をするよと声かけ君待つと
後からトコトコこの部屋に来る
可愛くて幸福だったことだけを
憶えておくのはわがままだろう
2011年10月02日
貴重な吠え声
泥棒と叫ぶと君は吠え立てる
立ち向かうべき敵と覚えて
外暗くガラスに映ったわたし見て
君怪しいと吠え訴える
散歩中天敵猫に遭遇し
初めて外で激しく吠える
家の外鳴き声したら走ってく
わたしはせめてワンコ見てたい
2011年10月01日
巡り会う人たち
リハビリで土手道歩くおじさんは
君良い犬と太鼓判押す
君を撫で愛犬失くした寂しさを
癒して微笑み作る人あり
一度でもかわいがってくれた人
君は憶えてお調子に乗る
君の死を聞いて言葉を失って
涙あふれた人 忘れない