「人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。
こんな動物は他にはいない」『少年と犬』馳 星周 より
今日は七夕様。
年に一度恋人に会える日なのに、雨です。
夜には上がるのでしょうか。
会いたい人に1年に1度でも会えれば、それだけでも幸せなことです。
波琉太が土手道で寝そべっています。
暑いよ暑いよ。
後ろにワンちゃんが2頭見えますが、並んで各々休憩中です。手前から波琉太、大好きコーギーちゃん、仲良し柴ちゃんの順です。
われら大人しく争いなんて一生知らない組です。
反対から見るとこんなです。波琉太はコーギーちゃんを嗅ぎたくてしょうがない様子です。
「オール讀物」に2017年から連載された小説が、
1冊になって昨年出版されました。
物語の始まりは2011年の東日本大震災の津波で、
その5年後に起きた熊本地震で終わります。
飼い主を津波で失った1頭の犬が、
宮城県から熊本県まで移動し、その所々で訳ありの人に飼われて、
人生の岐路に立ち会ったり、ときに死に目に寄り添ったりします。
その時々の飼い主は社会的に善人ばかりでもありませんが、
かかわる人は皆犬を崇高な生き物として大切にします。
マイクロチップを埋めこんだシェパードミックスの犬は賢く、
いつも自分の行く道を見据え、
存分に人に愛情を与えているように思います。
目的地は、津波前仲良くしてた少年のいるところで、
言葉を発しなくなった少年の前に現れ、少年を癒していきます。
(※ネタバレがあるので、続きは最後の追記に書きます。)
私は本が好きで、物語が好きです。
昔から死者と触れ合ったりするお話が好きでしたが、
東日本大震災後の傾向として、
死者のよみがえりとか、姿が見える会えるという内容の本が増えたと言います。
私も実感します。
あの津波で亡くなった人の登場する物語もあります。
本当に会えたらいいなと思います。
そうでなくてもずっと人が願い続けられたらなと思います。
私は映像の中でしか災害を知りません。
阪神淡路大震災にしても、ひどい台風にしても、
経験はしたけれど失うことなく生きてこれました。
だから何もわかりません。
わかろうとするだけで、ちっとも追い付いてはいません。
私には何もできないし声をかけることも躊躇します。
でも忘れてはいないし、心も痛みます。
失った人、物、ことを願う祈る気持ちは理解できるつもりです。
・おとなしき犬3頭の土手道に等間隔に並びて休む
・気分落ち何もできぬと思う時ハルの温さと毛に救われて
・体力も精神力も耐えられず世の災害を薄目で見て過ぐ
・消え去るは一瞬なりけり空きし穴埋まることなく己が死ぬまで
・会いたくて信仰心のなきわれも魂信じひたすら願う
なぜか幼児とワンコにモテる父さんです。
撫でるのが上手なのか、リピーター多いです。
波琉太はというと、この位置に。
ワンコはたくさん寄り添ってくれますが、
ワンコの方も人に寄り添ってもらって、随分癒されているのかもしれません。
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どうして仲良しの男の子がいる熊本に仙台から向かうことができたのかという、
非常にフィクション的な部分はありますが、
亡くなった人に会えるなら、
犬にこんな能力や行動力があってもいいでしょう。
※ラスト、地震による建物の倒壊で、
犬は少年をかばって死んでしまいますが、
少年には最後の犬の声が聞こえたと言います。
「大丈夫だよ、ずっと一緒にいるから。何も心配することはない」と。
いなくなったわけではない、
抱きつけないのは寂しいけれど感じられる、すぐそばにいると少年は言いました。
もう少年は傷ついて言葉を失うこともありませんでした。
犬は少年を生かすため旅して生きたのでした。
2021年07月07日
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