2012年02月29日
豚鼻丸呑み事件
口の中入るサイズの食べ物は
飲み下せずとも君は丸呑み
口にした豚鼻取ろうと追いかける
君は慌ててぐいと丸呑み
突っ込んだ右手は遅く
君 喉に豚鼻詰まらせ一瞬気絶す
レントゲンに異物写らず
君の歯で切ったわたしの手を治療する
2012年02月28日
旅立ちの直後に思う その3
製造が君の生前 日付指す
ポテチ食べねば早く消さねば
君の死で昨日までしてきたことが
途絶えてしまう なぜとまた問う
弔いは生者のための儀式なり
救い求めぬ我は拒否する
もし心壊れるならばそれも良し
君の死からは目を逸らさない
旅立ちの直後に思う 旅立ちの直後に思う その2
2012年02月27日
散歩の後のお楽しみ
散歩から帰り一人で君休憩
心ゆくまで玄関先で
ガチャガチャとリードの縮む音がして
ようやく君は家の中へと
足ふいてもらうの君は待っている
上がりかまちに前足だけ乗せ
湧き上がる泉に浮かぶ文字拾い
はや千百の恋い歌となり
2012年02月26日
2012年02月24日
物言わぬ患者物言う付き添い
質問をずらりと書いたメモを手に
診察室へ意気込み入る
どの部分変とは言えない君だから
病名当たりをつけ医者に訊く
勧められワンニャンドック受けたれば
結果良好一安心す (亡くなる2か月前)
採血は君の右後ろ足首で
獣医の技は一瞬のうち
2012年02月23日
寒い日のこんなこと
こたつから足のぞかせてからかえば
君は怪しと戦い挑む
コンセント辺りに君は往復で
身をこすり付けこたつプラグ抜く
融雪剤踏んだらすぐに君の足
洗い流したい冬のお出かけ
シチューには冷めて膜張り
Rくんはスマホのフレブル画像に見入る
2012年02月22日
3回ワクチン済むまでは
2回目のワクチンまだで家の中
パワーストレス君もてあまし
シャンプーができずべたつく君の毛は
黒々光りにおいも粘る
君入れて連れ帰ったかご
2回目のワクチンの頃頭はみ出す 我が家への旅
君専用トイレにしてた電柱は
いつも濡れてる君とつながる
2012年02月21日
2012年02月20日
けっけっ毛が抜ける
マスクした頬にちくりとかゆみする
繊維に刺さる細い君の毛
君の毛はめんどくさいけど愛おしい
フリース生地にふわふわ刺さる
抜け毛取りゴム手袋で撫でられる
感触いやで君は逃げ出す
目と鼻の間のくぼみ
指先で際限なしに君の毛を抜く
2012年02月19日
命日にはチューリップを
亡骸に手向けられたるチューリップ
君の花だとRくんは言い
10本のチューリップ買い
Rくんはアキレス供え君を偲びん
時空超えベッドに君の死に姿
見えはしないか闇に目凝らす
死に人をよみがえらせて小説は
人の叶わぬ願い叶える 1周忌
2012年02月18日
エリザベス&アレクサンダー
Lサイズなのに食い込みきっちきち
君が巻いてるエリザベスカラー
エリザベス付けてすき間を引っ掛かり
合点いかない君は進めず
若くして急逝君の名に運命
定められたかアレクサンダー
大王の末期も知らず
強さだけ君あやかれと名付けた無念
《再掲》大王になれと願った君は今守られ上手アレクサンダー
3歳を迎えられなかった誕生日
2012年02月17日
呼吸が特に難しいフレブルだった その3
息吸えばふさがる君の鼻の穴
指で広げて楽な寝顔に
穴の中 管通したい
君の鼻ステント入れて膨らませたら
もう鼻で息をするのは諦めて
君 口開けていること選び
もし君が故障かかえていたのなら
永らえたのか2年5か月
呼吸が特に難しいフレブルだった その2
2012年02月16日
2012年02月14日
Bちゃんを悼む
混ざり合う体温と香は暖かく
我に寄り添い君旅立ちぬ
短命を告げられし日も嘆く目に
君は可愛くさらに可愛く
一番に君が輝く生き方を
させてくれると我を選んだ
あるがまま受け入れ楚々と生きた君
愛を頼りと目印にして
難病の末、先日眠るように亡くなったぶーりんちゃんに捧ぐ
我に寄り添い君旅立ちぬ
短命を告げられし日も嘆く目に
君は可愛くさらに可愛く
一番に君が輝く生き方を
させてくれると我を選んだ
あるがまま受け入れ楚々と生きた君
愛を頼りと目印にして
難病の末、先日眠るように亡くなったぶーりんちゃんに捧ぐ
2012年02月13日
2012年02月12日
抱っこの幸せ
仕切られた柵をまたいで道に出る
胸まで君を抱え上げながら
パソコンに妬いているのか君は立ち
抱っこをねだり静かな抵抗
姿見に抱っこをされた君の像
どこ見てよいかおぼつかなげで
君 膝に抱いているなら
今すぐに世界終わるも笑顔でいられる
《再掲》 雷の音がとっても怖かったあなたを守る手が空っぽで
つかず離れずフレブル君
2012年02月11日
お留守番
サークルにおやつで誘い
留守番をさせられる君諦め顔に
お願いだ賢く待っているからと
閉じ込められるを拒む君の目
行ってきます留守番頼むと敬礼す
君頼もしい小さな番犬
留守番がフリーになるとサークルは
犬飼ってますのサインアピール
2012年02月10日
眠り病ですか?
陽だまりのコンクリートはひんやりと
君はうたた寝始めてしまう
暖かな日差しの中を散歩する
抱っこしたなら君はうとうと
ガリガリと背中こすった後 君は
壁にもたれて目つぶり眠る
眠り病疑うほどに君眠く
血液検査は異常示さず
眠りたいのに眠れない
2012年02月09日
片付けなければ
くずかごがなくなり床もテーブルも
君のおかげで片付いていく
床上を乱れ伸びてる電気コード
君は一歩も踏まずに歩く
じゃが芋が土の匂いで誘うから
君遮って分厚く包む
失恋も涙を枯らすことなくて
あんなに早く過去にしたのに
2012年02月08日
あの朝何が起きたのか
2012年02月07日
夢はいつでも支離滅裂で
2012年02月06日
2人でドライブ
コート着て人は乗るのがちょうどいい
冬の車の君の適温
助手席のヘッドレストにリード巻き
安全運転唱え出発
ややこしい君が隣にいる方が
車庫入れ一発ぴたりと決まる
濡れている助手席シートお漏らしか
匂いないからほったらかしに
2012年02月05日
意気込みの結果は…
おやつ持ちお手にお座り教え込む
芸の達者なフレブル目指し
わたしの目真横におやつかざし持ち
君の名呼べばアイコンタクト
投げ出した膝を折り曲げおやつ見せ
くぐらせ君に伏せを教える
我が横にぴったり控え
コマンドがさくさく入る名犬にしよう
2012年02月03日
2012年02月02日
眠りにつく前に その2
帰宅したRくん迎えに行きもせず
おいでと呼ぶも君は動かず
ベッドにも上がってこずに
アキレスもくわえず君はただに寝そべり
感動し目に焼き付けた愛し君
見納めの日もそうでない日も
残痕も形見も記憶も消えないと
世界は過載となるのであろう
2012年02月01日
眠りにつく前に
君死期を知っていたのか
前の日とその前の日はなじみの道行き
ネロママが君が最後にあった人
あの電柱の横喜び極まり
珍しくわたしの帰り待ち焦がれ
前の日君は何かを訴え
永劫の別れの中にさがしてる
一縷の望み君とどこかで