一晩に3部屋を巡り君眠る
わたしRくん 父さんわたし
君はまず2階に行くと
父さんの布団の真ん中ペタリと座り
走り、跳びわたしの部屋を2周逃げ
捕まえていいと君停止する
うつ伏せの左を向けばベッド越し
様子うかがう君と目が合う
2011年11月30日
2011年11月29日
呼吸が特に難しいフレブルだった その2
口開けた体勢作るために君
牙ひっかける場所を求める
サークルの柵にぐにゅっと君 口を
押し付け呼吸確保して寝る
冬なのに日光浴で息荒く
君の弱さに初めて出会い
生きていくことに異論はないけれど
君ない生活ひどく疲れて
2011年11月28日
フレブルの作り方
耳を立て小さくなった闘犬は
おしゃれな名前冠しフレブル
人間の手厚い保護でフレブルは
幼い姿永遠に持ち
犬という概念遠くフレブルは
いつか昔に天使が混じる
天使の血濃いものは皆 君のよに
早く天上帰ってしまう
おしゃれな名前冠しフレブル
人間の手厚い保護でフレブルは
幼い姿永遠に持ち
犬という概念遠くフレブルは
いつか昔に天使が混じる
天使の血濃いものは皆 君のよに
早く天上帰ってしまう
2011年11月26日
2008年11月26日
R君の誕生日なのに友からは
君の首輪とおもちゃをもらい
パピー用もらった首輪初めから
君の首にはサイズが足りず
初首輪すればいやがり はずしては
噛み振り回す 君3か月
君いたら君だったらの話する
今も生きてるあの時のまま
君の首輪とおもちゃをもらい
パピー用もらった首輪初めから
君の首にはサイズが足りず
初首輪すればいやがり はずしては
噛み振り回す 君3か月
君いたら君だったらの話する
今も生きてるあの時のまま
2011年11月25日
巣ごもり生活
新聞の旅の広告飛ばしてく
君と行けないとこは用なく
切なげな顔を見るのが切なくて
お出かけひかえ君と笑顔で
欲しいものたいていネットで事足りて
巣ごもり生活滞りなく
君失くし代役求め
グッズやらサイトサーフィン現実を飛ぶ
君と行けないとこは用なく
切なげな顔を見るのが切なくて
お出かけひかえ君と笑顔で
欲しいものたいていネットで事足りて
巣ごもり生活滞りなく
君失くし代役求め
グッズやらサイトサーフィン現実を飛ぶ
2011年11月24日
送る その4
アキレスとささみを添えて送り出す
役目を終えた君の体を
シャワーでの入浴大丈夫なくらい
試しの春が君を見送る
あたたかい骨一片も残さずに
家に帰ろう君とわたしの
君の骨 布に包んでこっそりと
わたしの棺にきっと入れてよ
役目を終えた君の体を
シャワーでの入浴大丈夫なくらい
試しの春が君を見送る
あたたかい骨一片も残さずに
家に帰ろう君とわたしの
君の骨 布に包んでこっそりと
わたしの棺にきっと入れてよ
2011年11月23日
毎月お誕生日を祝おう
こんなことなるなら毎月誕生日
23日祝えばよかった
3歳を迎えられなかった誕生日
君のため手合わせ祈ったことがない
つながった糸切れてしまうよで
いつかこの2年5か月
悠久の中に埋もれてしまうのだろうか
閉めきった部屋では君は窒息を
してしまうのか外気求める
23日祝えばよかった
3歳を迎えられなかった誕生日
君のため手合わせ祈ったことがない
つながった糸切れてしまうよで
いつかこの2年5か月
悠久の中に埋もれてしまうのだろうか
閉めきった部屋では君は窒息を
してしまうのか外気求める
2011年11月22日
趣味か手入れか
たくさんの人に愛してほしいから
君の体はいつもきれいに
涙やけ鼻水やけはさせまいと
君をタオルで四六時中ふき
手入れには白手袋が欠かせない
君の顔中しわ一つずつ
使い捨て手袋、コロコロ
君なくて買い置いたまま出番をなくす
2011年11月21日
土手道の柵あたりで
18段 階段全部 駆けられず
君ほとんどをよたよた上り
坂上がり柵から顔出し土手道を
覗いて君は犬来るを待つ
柵ごしのワンちゃんならば危険なく
君は余裕でかまい追いかけ
黒ラブの脚の間にすっぽりと
君襲われたことも知らずに
君ほとんどをよたよた上り
坂上がり柵から顔出し土手道を
覗いて君は犬来るを待つ
柵ごしのワンちゃんならば危険なく
君は余裕でかまい追いかけ
黒ラブの脚の間にすっぽりと
君襲われたことも知らずに
2011年11月20日
お買い物にもついて行きたい
自転車のわたし追いかけスーパーに
君はRくん連れたどり着き
店の外 真剣顔の君が待つ
わたしに気付かずあらぬ方見て
背後からそっと近づき君を呼ぶ
もうっ!と言うようにじゃれて飛びつき
こんなにも月日は速く過ぎていく
君生きた日を追い越さないで
君はRくん連れたどり着き
店の外 真剣顔の君が待つ
わたしに気付かずあらぬ方見て
背後からそっと近づき君を呼ぶ
もうっ!と言うようにじゃれて飛びつき
こんなにも月日は速く過ぎていく
君生きた日を追い越さないで
2011年11月19日
夢を見た
たどたどしい君ひとりだけ人間に
交じって並ぶ天国の門
どこからか健康な君現れて
かあさんいるよとまなざし向ける
手術する君の夢見た
今度こそ万全尽くす必死に臨む
座ってる右ひざに乗る君の夢
確かに重くぬくく眠って
2011年11月18日
2011年11月17日
車で!がコマンド
たくさんの中ではマイカーわからずに
君は手近な車の横立つ
自動車に10分ほども揺られれば
必ず君はウンチもよおす
父さんの後追い酒屋に入りたい
君は店内中腰で見る
君連れてドライブしよう1日中
ひとえに願う帰ってきてと
君は手近な車の横立つ
自動車に10分ほども揺られれば
必ず君はウンチもよおす
父さんの後追い酒屋に入りたい
君は店内中腰で見る
君連れてドライブしよう1日中
ひとえに願う帰ってきてと
2011年11月16日
元気なころ土手で
土手の坂君は下って川入り
足先濡らす程度に歩く
土手斜面君は草むら飛び込んで
ごそごそ駆けて出ては隠れる
土手斜面コンクリートに覆われて
君の痕跡消し去っていく
逃げてゆく幸せ一つありもせず
移る季節にため息をつく
足先濡らす程度に歩く
土手斜面君は草むら飛び込んで
ごそごそ駆けて出ては隠れる
土手斜面コンクリートに覆われて
君の痕跡消し去っていく
逃げてゆく幸せ一つありもせず
移る季節にため息をつく
2011年11月15日
動物愛護センターにて
満開のコスモス畑 横に見て
動物愛護センターに行く
動物の姿に作った置物は
怖い怪しい君後ずさり
センターの処分待つ子の鳴き声は
君と一緒にただ聞くばかり
七百の涙つなげて並べれば
君生きた日のアーカイブとなり
動物愛護センターに行く
動物の姿に作った置物は
怖い怪しい君後ずさり
センターの処分待つ子の鳴き声は
君と一緒にただ聞くばかり
七百の涙つなげて並べれば
君生きた日のアーカイブとなり
2011年11月14日
なに、なに何ですか?
綿ぼこり目ざとく見つけ食らいつく
君の鼻先逃げてまた飛ぶ
新しい言葉を聞いて
君は首右に左に何度もかしげる
うっかりとふた閉め忘れシアバター
底が見えてる君なめたんだな
用もなくペットショップに立ち寄って
フレブル見つけ君と比べる
2011年11月13日
夜のブリンドル
暗がりに君の姿は溶け込んで
白眼ばかりが居場所教える
暗闇が君を隠してしまうから
七色光るペンダント買う
ペンダントとことこ歩く君の背に
揺れて輝くイルミネーション
どんな夜も明けない日ない
生きるとき抱く希望は無邪気すぎないか
2011年11月12日
じっとしてても十分に
「おばちゃんはもう1周してきたよ」
座った君はどこ吹く風で
会う人に 今日は歩いてるなんて
驚かれてる逸脱の君
マイケルのステップ真似て暇つぶし
君がちっとも動かないから
今年こそバギーを買って君乗せて
楽しさ見つけようとしていた
2011年11月11日
背負う宿命
水でさえ喉につかえて吐く時も
わたしは君に何もできない
食べ物を飲み込むことと
息をすること難しく君消耗し
改良に改良重ねた子たち故
不全不具合やむなく多く
美しいサラブレッドも人の手で
改良しつくし運命決まる
2011年11月10日
好物は発酵食品
もともとの食性は腐肉
ヨーグルト、納豆に君ためらいがない
ポテチには君は興味はないけれど
音をさせずにつまんでは噛む
昼ささみ夜は牛肉前の日に
君好きなものあげてよかった
一さじのマヌカハニーを舐めてみる
君の頭と同じ匂いする
2011年11月09日
チェックチェック
匂い嗅ぎ歯の色 歯茎確かめる
若くきれいで口異常なし
指ならし反応するか確かめる
匂いを嗅いで耳異常なし
目の前で指をつまんで確かめる
まぶた閉じてる目は異常なし
舌の色きれいなピンクしているか
君が出してりゃいつも確認
2011年11月08日
写真
飛ぶ君を写真に撮ろうとかまえたが
走るどころか歩きもしない
カメラ向け撮ろうとすると視線合い
君はニコニコすぐ寄ってくる
8メガの君の一生収まった
メモりースティック手のひらに乗り
デジタルのフォトフレームの遺影集
小さな世界の君が見つめる
2011年11月06日
散歩のお約束
抱き上げて花に鼻先持っていく
君は一嗅ぎ関心薄く
コンクリの壁に体をこすり付け
君は真っ白シロスケになる
トラックの出た後広い駐車場
君は必ず靴先を噛む
苦しみを糧にするよな歳でなく
口引き結び我慢している
2011年11月05日
自然の力
肉球のひび割れ裂けて出血す
平気な君に慌てるわたし
全身を使い異物を吐く君に
強い自然の生命力見る
動物は不思議な力持つもので
抱いてるだけで優しくなれる
骨壺の君の頭を手に取ると
割れて自然に還ろうとする
2011年11月04日
あれは旅立ちの兆しであった
好奇心よりも体力衰えて
君ただじっとしていること増え
君ずっと見張ってないと力尽き
生きることをやめてしまいそう
そら君をもう追いかけていかないで
君はわたしのそばを離れず
心配性取り越し苦労が過ぎるから
君死にそうと言えなかった
2011年11月03日
スポーツセンターでは
フェンス越しテニスボールを君は追う
動く人、物 目が離せない
グランドの観覧席の高いとこ
君と上って野球を見てる
妖しげな気が漂うか
体育館裏通るとき君狂暴に
見晴らしの良い場所上り満足げ
君したり顔で下界を望む
2011年11月02日
帰りは消極的な散歩
帰り道立ち止まってはわたし見る
お家と聞いて君歩き出す
帰るのを渋ってた君家までの
3メートルになったら走る
散歩からやっとの思いで家に着く
お疲れ様と君に声かけ
用もなく外出て君のいたところ
幻さがす散歩の時間
2011年11月01日
積極的な散歩
どこからか君は木の枝さがしだし
お土産みたいにくわえて帰る
初めての道は興味津々で
君の歩みはどんどん進む
天候と気温と君の機嫌みて
散歩の時機のゴーサイン出す
君と来た道を歩いていかないと
どこにも行けず拷問のよう