2011年07月31日
お気に召すまま
往復で網戸に背中こすりつけ
つっこんでよとチラリ君の目
R君ママの呼び名は拒否したが
君のママと呼ばれて喜ぶ
絵心があれば君の絵
歌作る力があれば歌作りたい
三百の涙に映した君の日々
思いは尽きずまた歌を詠む
2011年07月30日
夜のあいだに
3年ぶり冷却ジェルを首に巻く
君のお腹の気持ちがわかる
寝る前は父さんの部屋でひと運動
ズリズリガタンのルーチンワーク
ちょびちょびと黄色いしみが
父さんの寝床にだけある愛されてるねぇ
ベッドから君はポタポタ落ちるから
マットクッション周囲かためる
2011年07月29日
わたし頼み
待ちきれずもう起きたので2階から
下ろしてほしい君ギャンと鳴く
怪しさを感知しそちらにまず吠えて
君はわたしを待ってから行く
保護される立場を十分承知して
君は待ってるわたしの手と目
人誰も頑張ったねと言われたい
君生きていることがそうだった
2011年07月28日
赤ちゃん時代
今頃になってわたしの居場所知る
世話を焼かせる君のそばだと
ドソドソと夜中に廊下走る音
パピーの君とR君が遊ぶ
2ヶ月でマウント始めた君のそば
斜めの角度作ってはならない
エプロンに包んで君と家の外
腕から見下ろす初めての犬
2011年07月27日
旅立つ その5
挿管し電極脚につけられた
君の鼓動はもう打つこともなく
「苦しまず死ねたでしょうか?」問いかける
「一瞬の最後だったと思われます」
「軟口蓋、鼻腔手術もしたけれど
状態とても悪い子でした」
疾患と不幸な症状重なって
生涯一度のハートアタック
2011年07月26日
我が家への旅
情けないまなざしをしたかわいい子
君の写真に思い高まる
ギャウギャウとチビ怪獣が鳴いている
かごに入った君ウンチした
3時間新幹線のひざの上
まだ名前ない君連れ帰る
世の中に引っかき傷も残せない
わたしに深く君刻まれる
2011年07月25日
離したくない離れたくない
この夏で初めてセミの鳴いた日が
きちんとわかる君と過ごせば
留守番は最大4時間までと決め
バス停からは走って帰る
スーパーは脇目ふらない買い物で
早送りする 君が気掛かり
どこにでも君はくっつき来るけれど
むしろわたしが分離不安症
2011年07月24日
逃げるに逃げられず
暑いので水のシャワーを浴びせたら
君は逃げ出しオシッコ漏らす
そのシャツに今からアイロンかけるのに
わざわざ上に座るか君は
うっかりと君の頭に
アイロン台当たり2ヶ月台見れば逃げ
恨むのは酷暑酷寒
わたしにはどうにもできず君痛めつける
2011年07月23日
比べてみたら
ポニちゃんはポメラニアンの小さな子
ポニママ肉球を豆球と言い
心臓の悪いポニちゃんよりもなお
君歩かない君立ち止まる
コンパスでお尻の周り白い毛を
生やしたネロ君バーニーズマウンテン
ネロママは会えば何度も「かわいい」と
わたし以上に君にデレデレ
2011年07月22日
いつの日か
犬飼った理由の中で一番は
誰かをたくさん愛したかった
犬を飼う 習性特徴老後まで
シュミレーションを繰り返した日
しつけなど所詮一般論
我が家のルール守るよい子に
君の背に翼をつけて飛んでいる
天使の絵うまく描けるだろうか
2011年07月21日
フレブルに見惚れる
前脚にほぼ体重がかかってて
後ろ脚より筋肉りゅうりゅう
力強い肩を触って確かめる
肩甲骨がとても立派だ
豆タンク逆三角形のマッチョマン
君男前かっこよ過ぎよ
結末を知りつつ人は生きている
どんな気持ちで君は生きてた
2011年07月20日
穏やかに抜け目なく
天敵のネコのお家にやってきた
スクランブルの命令待ってる
敵陣地すばやく偵察終えたあと
見つけた水でのどをうるおす
豚鼻を慌て飲み込み窒息す
君死ぬ怖さ初めて覚える
絶対に優先順位まちがわない
君の安全命が第一
2011年07月19日
贖罪
悪い予感とらわれ続けた日々がある
わたしは君の死わかっていたのか
緩慢な死の徴候を見過ごした
わたしの罪は何で償う?
傷えぐり痛みを感じ続けねば
君の死報いることはできない
貝開き死ぬ瞬間を直視する
二度とあさりは買わないと決め
2011年07月18日
野性に戻る
山里の田舎に来たら君もまた
野生児になり土にまみれる
田舎には犬の苦手な獣医さん
病気しないようひたすら祈る
置いてかれる!?不安で縁から大ジャンプ
記録樹立も口をすりむく
また無口になってしまったこと気付く
「サイレン鳴ったね」君に言えずに
2011年07月17日
いなかった日いなくなった日
リナちゃんがお膝にのってくれたから
ワンコいいなと思いました
リナちゃんはお友達の飼っているパグちゃんです
飼う犬種相性診断してみると
やったぁ!フレブル一番と出た
髪を切り洋服を買いヒール履く
君の知ってるわたし変えたい
目の前から無くしてしまいたいものと
置いておきたいものが争う
2011年07月16日
一杯いっぱい
宝物なくさないよう腕の中
寝ても覚めても君でいっぱい
どうちたの?赤ちゃん言葉は当然で
王子の君にご機嫌うかがい
心へと君の全てを保存する
消えないようにロックをかけて
この体刻んで痛み覚えたら
心が楽になりそうな気がする
2011年07月15日
どこまで頑張れるでしょうか
横抱きの11キロは重たくて
日に30分の筋トレとなる
君のため心がしゃんと前を向き
元気に生きてなくてはと思う
生きるとは自分の限界何度でも
思い知ってはあきらめること
あれからは知らないワンコ見かけても
長生きしてともれなく思う
2011年07月14日
動物ファン
ちんちんもお尻の穴も見せ放題
裸でいいな君ありのまま
植物を育てるコツがわからない
君見て思う動物がいい
鉢植えは世話をするのに枯れていく
君はいい子に育ってくれた
この家も町もどんどん変わってく
話し聞かせる君いないのに
2011年07月13日
旅立つ その4
“突然死”名前をあえてつけるなら
脳か心臓異常起こした
「心臓に注射を打ってみましたが」
鼓動戻らず確認された死
心臓が止まれば死ぬとわかってる
止まった理由わたしは知りたい
ふやかしたボールのフード朝ごはん
食べる君なく冷たく残る
2011年07月12日
正しいでしょうか
犬友の病気とけがのお話は
貴重な情報心して聞く
唯一の女友だちカラちゃんは
長いしっぽで君の顔掃く
カラちゃんはキャバリアです
夢の中元気な君を見るわたし
死んでるのにと思ってしまう
本当は天国だって信じたい
冥福祈り転生待ちたい
2011年07月11日
失ったものは
蚊よけ服電子蚊取りにスプレーと
絶対蚊から守らなくては
カチャカチャと水飲む音が聞こえてる
お口を拭きに行ってやらねば
溺愛を笑いたければご自由に
図にも乗らない ほらねかわいい
大きくも多くもないが一点の
喪失感の闇の深さよ
2011年07月10日
ついてゆきます、どこまでも
外弁慶 家来みたいについてゆく
自由に君は行きたいとこ行く
アジサイが化石になっていくさまを
君と毎日確認してゆく
去年の今日おととしの今日
夏の日は2回しかなく思い出は濃く
どうしたらずっとおぼえていられるの
生まれてちゃんと生きてきたこと
2011年07月09日
近い近い!
仰向けになったら口元嗅ぎにくる
ひげ鼻の穴入りこそばし
着替えると一生懸命匂い嗅ぐ
わたしの行き先探る手がかり
ただ君に必要とされているそれだけが
わたしの支え わたしの強さ
かけがえのないもの失うくらいなら
一緒になくなることも幸せ
2011年07月07日
微妙な違い
宅配のお兄ちゃんお姉ちゃん友だちに
君の大事を運んでくれる
新しいフードは必ず食べてみる
もちろんアキレス噛みしめてみる
エアコンは君だけのためあるようで
温度見るためだけのスイッチ
西暦は生きた日その前その後と
思い出込みの数字に変わり
2011年07月06日
掃除機は嫌いです
そばに君いてくれるから心から
笑えるわたし存在してる
掃除機のしゅるしゅる引っ込むコード先
獲物?怪しい?君は噛み付く
掃除機が君は苦手で騒ぐけど
我が家の1台だけは平気に
人間の齢になおして君よりも
若い死さがし息を吐き出す
2011年07月05日
行ったり来たり
エアコンのきき方悪くなるけれど
君の出入りの幅戸は開けて
雨の意味どしたら君に伝わるか
「何言ってるの?」とわたしを見てる
椅子の脚 柱についた噛み傷に
ああ残っていると安心をする
二百首の涙をためて手のひらに
今度は絶対こぼさないから
2011年07月04日
送る その2
君送る車見つけて花買いに
走ってくれたしんちゃんのパパ
チューリップ携え君にお別れを
“永遠の愛”花言葉添え
ミニチュアダックスママより
絶対に忘れはしない君のこと
涙のあの子手紙供える
小学生の女の子より
遺骨には
「愛犬フレンチブルドッグ オス三歳」と
数えで書かれ
2011年07月03日
送る
潔くひとりきれいに逝った君
寂しくなかった?怖くなかった?
人間の枠にはめるの違ってる
棺、読経はなしに裸で
君好きな坂がのぞめるこの場所で
苦しみ去って空に昇るよ
天国になんか行かずにここにいて
も一度君を守っていくから
2011年07月02日
うらやましい
「噛んでやり!いたずらしてるR君を!」
けしかけ言うが君は平然
ものを言う目が切ないよ
R君の背に問う「遊びに行っちゃうの?」
散歩する食べる寝る出すそれだけで
完結できる君は憧れ
たくさんの物がなくては生きられぬ
わたしを君は自然にかえす